眠れぬ夜はスノーボードに出かける?

navigator寝つきは良いほうですが、たまに眠れないときがあります

いつまでも記憶に残る、色褪せない”あの日のスノーボード”

もう10年以上前の話になります。スノーボードを始めて2シーズン目の1月中旬、今でも忘れられないスノボ体験があります。標高1800mくらいの山のふもとにあるローカルなスキー場に出かけたときのことです。
自宅から比較的近くにあり、わたしにとっては地元と言っていいような位置にある小規模なスキー場です。

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この日は日本海側からの寒気の吹き出しが強く、スキー場に向かっているときからかなりの雪が降っていました。途中で軽食を購入するためコンビニに立ち寄りクルマから降りた瞬間に感じたのは、雪質がとても良いのです!重くないサラサラの粉雪です。水分の多い重い雪が道路に積もっていると運転中にハンドルを取られたり、クルマの挙動が不安定になったりして神経を使いますが、この日は積雪が多い割には意外に感じるほどスムーズに走行することができました。

ときおり吹き付ける強い風で道路に積もった雪まで舞い上がり、前方の視界が真っ白になったりして「引き返したほうがよいのではないか?」と思ったりもしましたが結局はそのままゲレンデに向かいました。慣れない雪道ドライブに対する不安がありましたが、その一方で激しく降り続く雪がスノーボード2年目のわたしにはあまり体験したことのないような”極上の雪質”であり、この機会を逃すのは惜しいという気もしました。

スキー場に到着した段階で20センチ以上のフカフカの新雪が積もっていました。地域的な気候の特性としてわたしが住んでいる地域は朝から午前中には雪が降っていても、日中になると雪がやんでくることが多いです。この日もそのうちにやんでくるだろうと考えていましたが、その後も一向に雪の勢いは衰えません。いかに山のふもととは言っても、あまりにも強く降り続く雪を見ていると、家に戻れなくなったりはしないかと少し心配になりました。そんなふうに思うくらい雪は休むことなくまさに深々(しんしん)と降り続いていました。

リフトを降りた直後から周囲は深い新雪に覆われていました。ボードをセットして滑り出すとこれまでにない感覚です。雪の上をフワフワ浮いているように滑ることができます。ただあまりにも雪質がよくて初心者向けのコースでは斜度が緩いためスピードが乗らず失速してしまうような印象です。ちょっと物足りなくなって普段は行かない斜度のかなりキツイ上級者コースに行ってみることにしました。

サラサラのパウダースノーでは初心者スノーボーダーでも上級者コースを滑走できる(こともある)と、以前購入したスノーボード雑誌で読んだ記憶がありましたので。

以前は足が竦(すく)んでしまった上級者コースを、いともカンタンに滑走!

小規模なローカルスキー場とは言っても上級者コースは滑り出しからかなりの斜度があり、普段であれば初心者はコースの手前で引き返すくらいです。スノボ初心者にとっては崖(がけ)のようなイメージです。
以前わたしがこのコースを滑ったときにはゲレンデ(雪質)が固くまともに滑ることができずほとんど横滑りのままズルズル下りていきました。スノーボードの先端を谷側に向ける”先落とし”をすることさえ、初心者レベルのわたしには無理でした。

しかしこの日は降り続く雪がゲレンデ全体をこんもり覆っています。以前のときのような見るからにキツい崖という印象はなく降り積もった雪のおかげで、前に見たときより緩やかな斜面に見えます。天候が悪かったためかこの日はわたし以外に誰もいなくて貸切のような状態です。

意を決して早速滑り出すと、斜度があるので一気に滑り落ちるような気分です!

上級者コースという恐怖感はまったくありません!

あっという間に、数十メートル先に瞬間的に移動してしまったようなカンジです!

フカフカの雪の上ではカラダを少しかたむけるだけで鮮やかにターンが出来て、スノーボードのプロモーションビデオなどで目にする”雪をスプレーのように巻き上げて滑走する滑り”もスノボ初心者のわたしでさえ思いのままです。自分の体がなにか心地よいフワフワした空間を浮遊しているような感覚です。このような感覚はこれまでのスノーボードでは体験したことが無くものすごい快感です。

このころのわたしはまだまだ初心者レベルでしたので、決して上手に滑り続けることが出来るわけではなく、少しバランスを崩すと転んでしまいました。雪が腰のあたりまである深く降り積もったゲレンデで転倒してしまうとカンタンには立ち上がれなくなってしまうことをこのとき初めて知りました。雪の中にはまってしまうというのでしょうか。

一度転んでしまうと立ち上がって再び滑り出すのは大変でした。全身が雪まみれになりながら深い雪の中からカラダを起こすのは、例えとしてはとびっきり高級な深いソファに寝そべるように深く腰を下ろしたら、立ち上がるときに難儀した・・・。そんな感じでしょうか。

偶然めぐり会えた極上のパウダースノーはわたしに強烈な印象を焼き付けてくれました。ある意味では初心者レベルのころに出会えたのは幸運だったように思います。あまりにもたくさん経験を重ねると、感覚が鈍くなってしまうことってあるような気がします。毎日贅沢な食事をするよりも、たまーに豪華な食事に連れて行ってもらったりする方が感動というか心がときめくことって多いのではないでしょうか。

あの日の最高に気持ちよかったスノーボード

あらゆる年代・世代を問わず「夜、眠れない。」「寝つきがわるい。」ということがあると思います。ストレス・不安・悩み・心配事、そういうことが気になり出すとアタマがますます冴えてきて眠れなくなってしまいます。大人の場合はぐっすり眠れるようにと寝る前にアルコールを口にする人も多いようですが、アルコールはむしろ眠りを浅くするという話もよく耳にします。

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わたしは比較的寝つきは良い方ですが、仕事が立て込んでいるときなどはやはりベッドに入ってもまったく眠くならない、眠れないことがあります。こんなときは自分が滑っていて気持ちよかったスノーボードの滑りの記憶を思い出します。ベッドの中でひたすらイメージ・スノーボードの滑走を続けます。

冒頭の極上のパウダースノーを体験したときのことや、少し前に滑ったゲレンデでの滑走や、○○スキー場で気持ちよくカービングターンをしているところを繰り返しイメージしているうちに自然と眠りにつきます。

眠れぬ夜はヒツジを数えるというのが古典的な手法ですが、ヒツジを特に好きでもない人がひたすらヒツジを数えて眠れるものなのでしょうか。よくわかりませんが・・・。わたしの場合は記憶に残るような最高のスノーボードの滑りをイメージすることが、ぐっすり眠るための最高のおまじないです。